中3の2学期で内申は上がる?評定の決まり方と期末テストまでに見直すところ
中3の2学期の成績は、受験に使う中3の評定にどう入り、いつ固まるのか。東京・神奈川・埼玉の2027年度入試の資料と国の学習評価の資料から、評定が観点別評価から決まる仕組みと、通知表を見て期末テストまでに見直すところを整理しました。

東京・神奈川・埼玉のいずれでも、中3の2学期は受験に使う内申に反映される最後の学期です。夏の大会で野球部を引退し、ここから評定を上げたいと考えている子にとっては、期末テストまでの数週間に何をするかで2学期の結果が変わってきます。
この記事では2学期の成績が受験に使う評定にどう入るのか、評定がどう決まっていつ固まるのかを、東京・神奈川・埼玉の2027年度(令和9年度)入試の資料と国の学習評価の資料をもとに整理しました。そのうえで、1学期の通知表の観点別評価から、期末テストまでに見直すところを絞る方法を紹介します。

中3の2学期の成績は受験でどう使われるか
中3の評定は3都県とも2学期まで(2学期制の学校は後期の途中まで)の成績でつけますが、受験でどの学年の評定をどの重さで使うかは都県ごとに違います。
| 受験に使う評定 | 中3の評定で押さえておくこと | |
|---|---|---|
| 東京(都立) | 中3の9教科(一般入試では学力検査のない4教科を2倍) | 12月31日現在の評定で、1学期と2学期の成績を十分参考にしてつける |
| 神奈川(公立) | 中2の9教科と、2倍にした中3の9教科(135点満点) | 2学期までの評価でつける。募集人員の1割を選ぶ第2次選考は、評定のかわりに学力検査と中3の「主体的に学習に取り組む態度」(A=3点、B=2点、C=1点)などで選ぶ |
| 埼玉(公立) | 中1から中3の9教科(学年の比率は高校が決め、共通選抜では1:1:1、1:1:2、1:1:3から選ぶ) | 1学期と2学期の成績で判定する |
出典:東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱」、神奈川県教育委員会「令和9年度神奈川県公立高等学校の入学者の募集及び選抜実施要領」(別記「令和9年度調査書作成上の注意」を含む)、埼玉県教育委員会「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜実施要項・選抜要領」
東京の私立高校が12月に中学校の先生と行う入試相談でも、中3の成績は都立に出すものと同じ評定を使います(公私連絡協議会の確認事項)。
公立中学校の約2割(21.4%)は前期・後期の2学期制で(文部科学省「令和6年度 公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査」)、こうした学校には「2学期の成績」がありません。前期の成績に後期の途中までの学習を加えて中3の評定をつけるので(東京は後期の12月31日まで、神奈川は3学期制の学校と同じ時期まで)、後期の中間テストや12月までの課題も中3の評定に入ると考えておいてください。
受験に使う中3の評定は、どの都県でも2学期までの学習をもとにしたものです。2学期の頑張りで上がることもあれば、2学期の結果しだいで1学期の通知表より下がることもあります。
評定は3つの観点の評価から決まる
中学校の成績は、教科ごとに「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点をA・B・Cで評価し、それをまとめて5段階の評定にします(中央教育審議会「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」2019年)。都立に出す中3の評定も、観点別の評価をまとめた評定とされています。通知表の様式は学校ごとに違いますが、観点別の評価が載っていれば、評定がどの観点で決まっているかを読み取れます。
観点別の評価を評定にまとめるやり方は学校ごとに決めていて、A・B・Cの組み合わせで決める方法と、A・B・Cを数値にして決める方法があります(国立教育政策研究所の参考資料)。組み合わせで決める場合について、同じ資料はBBBなら3を基本とし、AAAなら5か4、CCCなら2か1とするのが適当としています。それ以外の組み合わせは、各学校があらかじめ決めておきます。
1学期の通知表で評定が2や3の教科を見つけたら、観点の評価を確かめてください。評定が2の教科にCの観点があれば、そこをBにすることが3への近道です。たとえば観点が「B・C・B」で評定が2の教科なら、思考・判断・表現をBにできればBBBになり、3が基本になります。BBBで3の教科は、どれか1つの観点がAになれば4に届く場合があります。どの組み合わせで4になるか、数値で決める学校ならどこが境目かは学校の決め方によるので、後で書くように教科の先生に聞くのが確実です。
「主体的に学習に取り組む態度」で見られていること
中教審の報告は3つめの観点について、粘り強く学ぼうとしているかと自分の学習の進め方を調整しようとしているかの2つの面から評価するものとしています。挙手の回数やノートの取り方といった形式的な活動で評価するのは適当でないとされ、評価の材料にはノートやレポートの記述、授業中の発言、先生による観察、生徒による自己評価などが挙げられています。
同じ報告は、この観点を「知識・技能」や「思考・判断・表現」の状況を踏まえて評価するものとしています。指導と評価を重ねていけば学期末や学年末には3つの観点の評価に大きな差は生じないと考えられるとし、「CCA」のようにこの観点だけが高い結果になったときは原因を確かめるよう求めています。評定を上げるには、この観点をほかの2つの観点と一緒に上げていくことになります。
一方で、文部科学省が2025年7月に示した資料は、この観点のうち「粘り強さ」の評価が、ノートの提出の頻度や課題の締め切りを守ったかといった形式的な勤勉さの評価にとどまっている例が散見されると指摘しています。提出物をこの観点の材料にしている学校もあると考えて、期限は守っておくのが安全です。
「中3の2学期は甘い」は本当か
東京では都立高校に出す中3の評定について、学年全員の観点別評価と評定を名前を伏せて載せた「成績一覧表」を中学校が作り、教科ごとに各評定の割合も書き込みます。提出の前には、区市の教育委員会などが置く調査委員会が教科ごとの評定の分布を調べます(東京都教育委員会の実施要綱)。
東京都教育委員会はこの評定の状況を毎年公表していて、都内の公立中学校の中3の評定は、9教科全体の割合で見ると前年とほとんど変わっていません。
| 評定の時点(使われた入試) | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年12月31日現在(2026年度入試) | 12.3% | 23.1% | 47.3% | 13.7% | 3.7% |
| 2024年12月31日現在(2025年度入試) | 12.4% | 23.1% | 47.1% | 13.5% | 3.9% |
出典:東京都教育委員会「都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和7年12月31日現在)の評定状況の調査結果について」(2026年3月26日)
都教委は「5」が5割以上の教科がある学校や、「5」と「4」の合計が8割以上の教科がある学校が出ていないかも確かめていて、2026年3月の発表では該当する学校はありませんでした。埼玉でも、中学校は中3の教科ごとの評定別の人数をまとめた分布表を、出願の時期に県の教育局に提出します(埼玉県教育委員会の実施要項)。
東京のデータは12月31日現在の評定を前の年と比べたもので、1学期より2学期が甘くなるかどうかまではわかりません。ただ、中3の評定は学年全体の付き方まで学校の外から確かめられているので、2学期の評定も1学期と同じ基準で3つの観点からつけられると考えておくのが確実です。
期末テストまでに見直すところ
9教科すべてが受験に使われるので、まず1学期の通知表を出して、評定が2や3の教科の観点の評価を教科ごとに書き出してください。Cの観点がある教科を最初に、次にBが並んでいる教科を見て、手をつける順番を決めます。
そのうえで、教科の先生に、その観点がBやAになるには何ができればよいかを聞いてみてください。中教審の報告は、どのような方針で評価するかを事前に生徒と共有しておくことを不可欠としています。教科ごとの評価の方法を年度初めに配ったり学校のホームページに載せたりしている中学校もあります。
「知識・技能」や「思考・判断・表現」がBやCの教科では、期末テストに加えてレポートや作品、実技テストといったテスト以外の課題も評価の材料になります。「主体的に学習に取り組む態度」がBやCの教科は、ワークや振り返りシートに、わからなかったところと次にどう取り組むかを自分の言葉で書くことから始められます。自分の学習を調整しようとする姿は、こうした記述として形に残ります。

内申を上げたい生徒を受け持つとき、私は勉強そのものを楽しく感じてもらうことを大事にしています。まず生徒と仲良くなり、説明では例文を工夫したり身近な例をあげたりして、できたところはきちんと褒めます。野球を引退して勉強に切り替えたばかりのこの時期は、家庭でも2学期の小テストや提出物でできたところを見つけて、具体的に褒めてみてください。
よくある質問
2学期の内申はいつわかりますか
東京では、私立高校が中学校と行う入試相談が12月15日以降に行われます(東京都教育委員会「令和9年度高等学校就学計画について」)。そこで使う中3の評定は都立に出すものと同じなので、2学期の評定は12月半ばまでにほぼ固まります。正式には、中学校が1月15日までに調査書の記載内容を保護者に通知します(東京都教育委員会の実施要綱)。埼玉では、調査書と同じ内容の「学習の記録等通知書」が2月1日までに保護者に通知されます(埼玉県教育委員会の実施要項)。いつどのように伝えるかは中学校によって違うので、在籍している中学校に確かめてください。
1学期より2学期の内申が下がることはありますか
受験に使う中3の評定は3都県とも2学期までの学習をもとにつけるので、2学期のテストや課題で観点の評価が下がれば、1学期の通知表より低くなることもあります。上げたい観点と一緒に、1学期にAやBだった観点が下がっていないかも、期末テストの前に確かめておいてください。
「主体的に学習に取り組む態度」の評価がなくなると聞きました。今の中3にも関係ありますか
中央教育審議会の教育課程部会が2026年10月にまとめた次の学習指導要領に向けた審議まとめでは、この観点を含む「学びに向かう力、人間性等」を教育課程全体を通じた個人内評価とし、評定は「知識・技能」と「思考・判断・表現」の評価をもとにつける方向が示されています。文部科学省が示したスケジュールのイメージでは、中学校での全面実施は2031年度からで、今の中3の評定は今の3つの観点でつけられます。神奈川の公立高校は2027年度入試でも、第2次選考で中3のこの観点の評価を点数にして使います。
まとめ
東京・神奈川・埼玉のいずれでも、受験に使う中3の評定は2学期までの学習をもとにつけられ、東京では12月半ばにほぼ固まります。評定は3つの観点の評価から決まるので、1学期の通知表で評定が2や3の教科の観点を確かめ、Cの観点から順に期末テストと提出課題で何を直すかを決めてください。
2学期の評定が出たあとに志望校の基準に届かないときの受け方と、引退後の勉強の立て直し方は、それぞれ次の2本にまとめています。
参考にした資料
- 東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱」 https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kyoiku/20260916_r9_01
- 東京都教育委員会「都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和7年12月31日現在)の評定状況の調査結果について」(2026年3月26日) https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/03/2026032606
- 東京都教育委員会「令和9年度高等学校就学計画について」(2026年9月9日) https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/09/2026090902
- 公私連絡協議会の確認事項(2014年9月4日、東京都「令和9年度高等学校就学計画について」の別紙) https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kyoiku/release2026090902-03-pdf
- 神奈川県教育委員会「令和9年度神奈川県公立高等学校の入学者の募集及び選抜実施要領」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/nyusen/nyusen/jishiyoryo.html
- 神奈川県教育委員会「令和9年度調査書作成上の注意」(同実施要領の別記) https://www.pref.kanagawa.jp/documents/63604/14_chuui1.pdf
- 埼玉県教育委員会「令和9年度入学者選抜実施要項・入学者選抜要領」 https://www.pref.saitama.lg.jp/f2208/r9nyuushi-jisshiyoukou.html
- 中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」(2019年1月21日) https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2019/04/17/1415602_1_1_1.pdf
- 国立教育政策研究所 教育課程研究センター「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料 中学校 数学」(2020年3月) https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/hyouka/r020326_mid_sansu.pdf
- 文部科学省「令和6年度 公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査」 https://www.mext.go.jp/content/20241217-mxt_kyoiku01-000039110_02.pdf
- 文部科学省「豊かな学びに繋がる学習評価の在り方」(中央教育審議会 教育課程企画特別部会 資料1、2025年7月4日) https://www.mext.go.jp/content/20250711-mxt_kyoiku01-000043568_03.pdf
- 中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日) https://www.mext.go.jp/content/20261005-mxt_kyoiku01-000052367-1.pdf
- 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」抜粋資料(意見募集) https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000322021
- 文部科学省「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」(教育課程部会 総則・評価特別部会 参考資料3、2025年12月15日) https://www.mext.go.jp/content/20251215-mxt_kyoiku01-000046335-07.pdf

中村龍人





